移動平均線(SMA)の収束と拡散を理解して値動きをつかむ

移動平均線(SMA)の収束と拡散は、チャートの動きが「次にどうなりやすいか」を考える上で大切なポイントです。
線のまとまり方や広がり方を見ると、市場がこれから落ち着くのか、大きく動き出すのかが少しずつ見えてきます。

特にFX初心者にとっては、動きやすい場面と避けた方がいい場面を見極めるヒントになります。
この記事では、移動平均線の収束と拡散をもとに「値動きのパターン」をどう読めばいいか、そして「避けた方がいい場面」についてやさしく解説します。

1. 移動平均線(SMA)の収束と拡散とは

移動平均線は、過去の価格をならして平均した線です。
この線がぎゅっと近づいて重なっている状態を「収束」、大きく広がっている状態を「拡散」と呼びます。

・収束=値動きが落ち着いて、方向感がない状態
・拡散=値動きが強く、一方向に動いている状態

たとえるなら、収束は「力をためている時間」、拡散は「一気に力を解き放っている時間」とイメージすると分かりやすいです。

2. 収束から拡散へ ― 値動きパターンを見極める

チャートを眺めていると、移動平均線が収束してから拡散に変わる場面がよくあります。
このときは、相場が次の方向に大きく動きやすいサインになることがあります。

たとえば、しばらく同じような価格で小さく動いていたのに、ある瞬間から一気に上昇したり下落したりするケースです。
「線がまとまっていたあとに、ばらけて広がる」―これが値動きのパターンとしてよく出てきます。

過去のチャートを振り返って、このような「収束から拡散への切り替わり」を探す練習をすると、実際の場面でも気づきやすくなります。

3. 拡散が続くとき ― トレンドに乗るパターン

移動平均線が大きく広がったまま進んでいるときは、市場が一方向に動いている流れです。
こうした場面では、流れに合わせて取引する「順張り」が有効になることがあります。

ただし、ずっと広がり続けるわけではありません。
広がりの角度がゆるんできたり、線同士の距離が近づいてきたりすると、勢いが弱まっているサインにもなります。
「いつまで続くのか」を見極めるのは難しいですが、拡散が弱まる変化に注目すると流れの転換に気づけるようになります。

4. やってはいけない場面 ― トレードを避けるべきサイン

移動平均線の収束と拡散は「動きやすい場面」を見つけるヒントですが、逆に「やらない方がいい場面」もはっきりしています。

・収束して横ばいのとき
値動きに方向感がなく、取引しても思うように伸びにくい時間です。

・拡散直後に飛び乗るとき
勢いが出た後は一段落して反発することも多く、慌てて入ると逆方向に振られることがあります。

・同じ高値・安値で止まっているとき
何度も跳ね返されているレンジ相場では、トレンドが出にくく、無理に入ると消耗しやすいです。

「ここは避けよう」と判断できるだけでも、無駄なエントリーを減らせます。

5. まとめ ― SMAの収束と拡散を使いこなすために

移動平均線(SMA)の収束と拡散は、相場のリズムを感じ取るためのシンプルな指標です。

・収束=次の動きに備えるサイン
・拡散=流れが続いているサイン
・ただし、やってはいけない場面もある

この3つを意識するだけで、トレードの「入るところ」と「入らないところ」を見分けやすくなります。

まずはチャートを開いて、似たようなパターンを探してみましょう。繰り返し見ることで、「ここは動きやすいな」「この形は避けた方がいいな」という感覚が少しずつ身についていきます。

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